第46話

《祐樹side》



「駄目だ、そんなに力を入れるんじゃねぇよ」



「うぅ…」



「痛くしねぇから…、そうだ」




安心させるように肩を優しく撫でた。



視線をイズミの顔に向けると、ギュッと目を瞑り必死で堪える顔が見える。



少しだけ力が抜けた小さな体に気づき、自然と口元が緩んだ。



俺は今、リビングの広いソファーでイズミに膝枕をしながら 耳掃除をしている。



耳が敏感なコイツは俺がほんの少し指を動かすだけでピクリと体を跳ねさせた。



緊張して体を強ばらせるイズミは可愛い。

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