第Ⅰ章 波乱の幕開け

第Ⅰ章 第1話

ストレア郊外の静かな森の近く、そこには大きな城の様な建物が静かに鎮座していた。その城は、謎に包まれたギルド・アストレアのギルドホームである。


ギルドホームであるここには、アストレアのメンバーが住んでいる。


朝ー私は誰よりも早く起きて、支度を整えた。


私が寝室として使っている他のアストレアのメンバーよりも広い部屋を低くノック音が聞こえた。


私はアストレアのメンバーの中で誰よりも早起きで行動するのだが、今日はいつも以上に早く起きていた。何故なら、朝から色々と予定が立て込んでいた。


「失礼致し・・・起きていらっしゃったのですか?アルバート様」

そう言い、私の部屋に入って来たのは、謎に包まれたギルドとされているアストレアの副ギルドマスターに私が任命した男性・フレデリック・スェードだった。


「起きていたよ。アストレアでは、私と君、それにアルフレッドが早起きだからね」

私はフレデリックにそう答えた。


因みに、アルフレッドはこのギルド・アストレアのメンバー・アルフレッド・スェードの事だ。彼とフレデリックは兄弟で、私と彼、フレデリックは腐れ縁だ。


「そうですね。その・・・部屋に来る必要は無かったかですか?アルバート様」

フレデリックはそう聞いた。「いいや。どうせ、君の事だ。私に何か用があったから私の部屋を訪ねて来たのでは無いのか?」

私はそう聞いた。


「は、はい。実はその・・・ギルド本部のマスターから書簡が届いていて・・・」

フレデリックは私の質問にそう答えたが、答えに些か、歯切れが悪い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る