第Ⅰ章 第2話

「君にしては歯切れが悪い答えだね?まさか、また厄介事か、あるいは心配事があるのか?」

私は、フレデリックにそう聞きながら、支度を済ませた。


「その両方です。前回も今回の様な書簡でギルドに呼び出された挙句に厄介事に巻き込まれた事をご存知ですか?アルバート様」

私にそう答えたのは、フレデリックだった。


「確かにそうだね。まぁ、仕方ないだろう。私達のギルドはこの国唯一のSS級認定を受けたギルド・アストレアだ。


それにSS級になった時点でギルド本部やギルド上層部から厄介な案件を頼まれるのは分かり切っていた筈だろう?なら、このギルドに居る以上はそれに慣れるしかないだろう?フレデリック」

私はそう言い、フレデリックに投げ掛けた。


「そうでした。ここに居る皆、アルバート様と同じ気持ちでいますので」

私の質問にそう答えたのはフレデリックだった。



SS級ギルドーそれはこのストレアでも限られたギルドがその認定を受ける。


私が作り、率いているこのギルド・アストレアは立ち上がりから2年というまだ出来て間もないギルドだ。そのギルドが最速でSS級認定を国から受けたのは去年だった。


SS級という称号はどのギルドも欲しがる称号だ。この階級は国に認められたギルドにしかそう名乗る権利を貰えないもの。


だが、その分、SS級ギルドもなるとギルド本部からの呼び出しやギルド上層部と呼ばれる《ストレア王国の5家当主》からの呼び出しや、依頼をこなさなくてはならない。


その為、SS級ギルドと名乗るのなら、経験や豊富な知識などが必要とされるのである。

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