第81話

そんなあたしの顔を見て、祐樹さんがフッと口元を緩める。



「俺はお前といるとドキドキするし、一緒にいたいと思う。それに、」



あたしの耳元に口を近付ける。



「…ずっと、キスしたいと思ってた」



耳元で聞こえる色っぽい低音に、ゾクゾクしたものが背筋に走った。



なんかエロい……!



パッと自分の手で耳を隠す。



そんなあたしを目を細めて見ながら、ニヤリと口元を上に上げた。



「……耳、弱いんだな」



恥ずかしさをごまかすために睨みつける。



「…で、返事は?」



真っ赤になりながら勇気を出して口を開いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る