第68話

腕…


背中…


顔…



殴られた場所が、熱を持ってジンジンする



どれくらいたったのだろう…



気付くとそれは終わっていて、床に倒れているあたしの視界には、こぼれた灰皿が映っていた。



体の痛みに動かず呆然としていると、カチッという火を付ける音と共に、煙草の匂いがした。




「イズミと別れるつもりないから。もう別れるなんて言わないよな?」




その声は落ち着いていて、聞き慣れたシン君の声だったけど、死ぬほど恐ろしく感じた。




どうやって家に帰ったかはわからない。




気付くと自分のベッドに寝ていて、朝になっていた。

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