第40話

「若頭、そんなことを翔に言わないで下さい。こないだこいつが暴れた時に、堅気さんを巻き込んだんです」



堅気を……?



「…おい。聞いてねぇぞ?相手は怪我したのか?」




二人の方を振り返り鋭く睨みつけながら言った。




「ええ。たいした怪我ではなかったんですが、病院に連れて行こうとしても断られまして…」



そりゃあ、こんないかにもヤクザとは関わりたくねぇよな…



「名刺を渡そうとはしたんですが、名刺を見た瞬間、泣いて逃げられました」




苦笑いをしながら一路が言った。




そうか…

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