第一章◇すべては止まる

第2話

「お疲れ様でーす」

「お疲れ様ねーっ」



今日のバイトもやっと終わり。

私はファミレスでバイトをしている。


あー、今日は特に忙しかったなぁー…。


そうつぶやきながら、バックヤードへと続く扉を開く。

戦場から帰還し、安息の地である控え室へやっと辿り着いたよ…だなんて、言いすぎかな?


ふー、暑い暑い。

今は12月。

冬とはいえ暖房の効いた室内で走り回ったから、結構汗をかいちゃった。



「……ねぇ、綾音、聞いてる?」


「…え?あぁ、ごめんごめん璃咲。えーっと…なんだっけ?」


「綾音はいつもそうだよねー。時々スイッチがオフになっちゃうって言うか…」



うーん、疲れてるのかな?


なんだかぼーっとして、話が全く入って来ない時があるんだよね。

何も考えていないんじゃないか…なんて言われて悔しいけど、時々ぽっかりと記憶の空白があるのは否めないんだ。


みんなにはよく『天然キャラだねー』なんて言われるけど、それを直すにはどこをどうすれば良いんだろうなー。

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