第35話

.





修一に気持ちを吐露(とろ)した日から1ヶ月経った。





あんなふうに気持ちを言ってしまった手前気まずくて話かけられず、この1ヶ月顔を合わせてない。




家が隣な分なかなか苦しいものがあったけど、とことん時間をずらしてずらしてやり過ごした。





「麻美」




「あ、佳代。どうしたの?」




いつになく怪訝(けげん)な表情。




そんな佳代はバンと机に手をつき、グイッとあたしに顔を近づけた。




ちょっと何何。受験のストレスかなんか?確かに辛そうだもんね、そんなにあたしに話を聞いてほしいのね。




しかし佳代の口から出たのは、勉強に対する不満なんかじゃなかった。




「麻美。好きなら絶対追いかけなきゃ。言い逃げとか一方な態度は絶対だめ。後悔する。」




去年までは恋愛って何?状態だった子から忠告されちゃった…。





.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る