第10話

ハアーッと息を吐き出せば白く長い煙に変わる


「手、寒いだろ?」


そう言って手を差し出す夏輝


「……うん、寒いね…」


一瞬、その手を握ることを躊躇う


そんな私に気づいている夏輝はスッと私の手を握る



「あったかいな」


笑顔を向ける



その笑顔を見ているだけで今は幸せ


今はそれだけでいい

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