第288話

声が掠れている。


あたしの声も、コウキの声も。


暗闇に緊張が走る。


どうして?なんで急にこんな……キス……なんて。


わからない。コウキの考えてることが、全然わからない。


もしかして、コウキもあたしのこと、好き、なの?


「……」


「……」


暗闇の中、お互い一言も発しないまま、時間が過ぎていく。


なにか、なにか言ってよ、コウキ。

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