第245話

「プレゼント…ですか?」


店員さんがあたしとコウキを交互に見ながら訊いてくる。


訊かれたコウキは嬉しそうな、照れたような、そんな笑みを溢しながら


「あ、はい。今日、こいつの誕生日で、それで」


そう答えるコウキに、あたしの心は逆にズドンと闇に堕ちる気がした。


そんな顔…見せないで。


あたし、期待しちゃうよ…。


わかっているはずなのに。


これが偽りだって、わかっているのに。

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