第230話
さっきのナナミの瞳、言葉。
あれは本気の目だった。
本気の言葉だった。
本気で、コウキを奪いに来る。
“返して”
「…返して…か」
だからって、あたしだってそんなに簡単に奪われるわけにはいかない。
―――たとえコウキの心がどこにあろうとも。
…あたしを…好きになって。
そう、願う毎日―――。
ついさっきコウキから受け取ったチケットをギュッと手の中で握りしめた。
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