第206話

コウキの訝しげな視線が突き刺さる。


嘘がバレてしまいそうで、もうこれ以上なにも聞いてほしくなくて、さりげなく目を逸らす。


「―――、そういえば、マナ…英語苦手だったな」


はあ、と呆れたような溜め息とともにクシャッと頭を撫でられて、コウキを見上げた。


おどけたようなその表情のその奥に、寂しそうな笑顔を見た気がして胸が軋む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る