第195話
「なっ…なに…」
発した声は掠れて上ずってしまっていた。
「こっちを見ろよ」
無理やり顎を掴まれて、鼻と鼻がぶつかりそうなほどに近い距離。
「タクミっ。も、もうやめて…」
さっきのキスを思い出してカッと熱くなる頬。ギュッと思わず固く目を閉じた。
けれど、目を閉じたことで余計近くに感じるタクミの熱い吐息。
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