第173話
「…うわ、ヤバいな、アレ」
カレンがなにかブツブツと呟いている。
「なにがヤバいの?」
そう訊き返せば、なぜか慌てた様子で口元を腕で覆ったカレン。
気のせいか、頬が赤く見える。
「な、なんでも!なんでもないから。
ほらっ、座ろ」
「?……うん」
なんだろう。
いつものカレンとは違う反応。
だけど「早くしろー」という聖君の声に、そんな思いもすぐさま消え去って、慌てて席に着いた。
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