第151話

「……だって…あたしは…あたしはッ」


「黙れっ」


ナナミもあたしも、コウキの低く唸るような声にビクッと体を震わせ、思わず目を見開いた。


「コ、コウキっ…」



俯いたナナミの瞳から零れ落ちる滴が頬を伝って、屋上のコンクリートに次々と跡をつけていく。


そんなナナミにコウキの影が覆う。


「ナナミ」


―――…やめて。


あたしの醜い心が叫ぶ。


そんな、切なそうなコウキの声、聞きたくないッ!

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