第102話

結局あれから無言のまま、駅についたあたしたち。


そこでようやくスッと腕を解いたコウキが時刻表を確認するように、上を見上げている。


コウキの手や腕が触れていた部分が熱をもったように感じて。


なのに、離れてしまったことで、急激に冷えていく。

そんな感覚に襲われて、思わず自分の肩をジッと見ていたら、


「マナ」


コウキがいつのまにか視線を合わせるように屈んであたしを覗き込んでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る