第94話
あたしたちの事情なんてなにも知らないはずの、
―――ジュンだった。
「……ジュンっ」
口の端を上げてニッとあたしを見るジュンの緑色にも見える瞳が、鋭く光る。
なんにも知らないはずなのに、その不思議な色彩に見つめられるとなにもかもを見透かされてる気分になってしまう。
「な?マナちゃんもそう思うだろ?」
そんなジュンの言葉に、タクミはなにも言えなくなっていく。
そうしてグッと息を飲み込むと、ただ唇を噛み締めて俯いた。
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