第87話

「彼女だと?」


コウキのことが頭の大部分を占めそうだったその時、タクミの低い声が聞こえてきて、また現実に引き戻される。


「……付き合ってる…のか」


最初の言葉はコウキへ、あとの言葉はあたしに向けられているようだった。


「付き合ってるよ、今日からね」


コウキのそんな言葉に、タクミは目を見開き、囲うようにしてあたしたち三人を見ていたジュンたちがざわつき出す。


「…今日からだってさ」


そんな声が聞こえてくる。

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