第85話

言葉で改めて言われて、妙なくすぐったさで全身がキュッとなった気がした。


タクミとは周囲に内緒の付き合いだったから、こんな風に言ってもらう機会なんて、一度もなかった。


正直、デートだって、半年も付き合ってたのに映画に一度一緒に行っただけ。


もちろん、不満はあったけど、タクミは他の人に冷やかされることを極端に嫌ってたから、


あたしは…あたしを好きでいてくれるならそれでいいと、我慢してた。

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