第75話

「―――ジュン」


コウキが呼んだ名前に、今度はあたしの体が大きく揺れた。


……ジュン。


その名前に聞き覚えがあった。


恐る恐るコウキの視線の先に目を向ければ、


そこにいたのは同じ高校の男子が数人。


みんな同じようにスポーツバッグを肩にかけていて、背の高い集団。


ジュンと呼ばれた男はその中で、かなり異質な存在。



コウキとは別の意味で目立つ男。

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