第21話

「……どういう…意味?」



いぶかしげに訊くあたしを、コウキはニヤリと笑って見据えると、口の端だけを上げて、


「広川 タクミ」


「!?」


妖しい笑みを溢しながら、一言、囁くように紡いだ名前に、体全体がピクリと跳ねあがった。



「な、な、な」


うまく言葉にできない。なんでコウキがタクミとのことを知っているのか。


周囲には内緒にしてた。会うのはもっぱらタクミの部屋ばかりだったし。

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