第15話

「…へえ…、そうか、そうなんだ」


「なによ、そうだったらどうなのよ」


コウキはニヤリとイヤらしく口の端を上げる。


「じゃあ、今度は俺と付き合わない?」


「――――…はあ?な、なにいきなり」


「いや、だってさ、失恋を癒すには、新しい恋が一番だって言うだろう?マナってさ、顔はけっこう俺好みで可愛いしね」



わけのわからないことを言い出した当の本人はずっとニヤニヤしたまま、


あたしの反応を伺うようにさらに顔を近づけてきた。


―――ホント、軽い男。


あたしと付き合うとか、そんな気もないくせに。

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