第92話

滝川君は腕を組んで考え込んでいた。

「滝川君は、ど、どう思ってるの?」

「……今も付き合ってると思ってるけど。」

え?本気でそう思ってる?

「わ、私のこと好きでもないのに?」

「はるか、どうしてそんな考えになるの。」


だって、滝川君は他人に時間を使うことが無駄と思ってる人なのに?

「私に時間を使うのはイヤでしょ……、時間の無駄って、」


ダメだ泣く。


「まぁ、簡単に言えばそうだけど、」


ほら、好きでもなんでもない。


「でもはるかが他の男と付き合ったら……冷静でいられる自信はないんだけど。それってはるかを好きだということではないの?」


なにこの面倒臭い生き物……。

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