第4話

「…雫がいいって言ったんだからな…。一度だけって言ってるし…デートすればいいんだよな」


そう言えば、一瞬俺を見上げたあとまた俯き


「…勝手にすれば」


ポツリと呟く



だけど、その横顔はなんだか今にも泣きそうな気がして


思わず抱きしめたくなるのを堪えた



――――今は…多分拒否するに決まってる





「…とにかく、みんな待ってるから…帰るぞ」


雫の手を掴んで涼太達の元に戻った



その手に雫がそっと力を入れる



「……あとで俺の部屋に行こ?」


雫の方に振り向き、そう言って顔を覗き込んだ



「え!?」

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