第88話

「わかんないって…マナ?」


カレンが眉間に皺を寄せてあたしの顔を覗き込む。


「……さっきね…コウキに会ったの」


「コウキに?―――それで?」


「――否定…しなかった。昨日のこと。

それってさ、そういうこと、なんじゃない?」


“そういうこと”


濁した言葉に勝手に傷ついて、また視界が滲む。

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