第13話

「もちろん、俺の勝手な言い分だってわかってるし、こんなこといきなり言われたら困るのはマナだって…わかってるんだ」


「けどな」そう呟いて腕の力を少し緩めたタクミの顔を下から覗き込むように見つめる。



そんなあたしに、苦笑しながらスッと頭をひと撫でしたタクミ。


「それでも、諦めきれない。

お前のそんな顔見たら……無理だ」



そう言って今度は頬に流れる雫を拭ってくれた。

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