第90話
「あー…好きっつうか…まぁ気になる存在っていうヤツですかね」
照れたように目を伏せ、小首を傾げてその首元をポリポリっと人差し指で掻いた凌汰。
そんな顔、するんだね。好きな人の話するときは。
────初めて、未来を心底憎いと思った。
悠哉も凌汰をも虜にする未来を。
消えてほしいと願ってしまった。
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