第77話

「……」


バクバクと変な動悸がする。


息も荒くなる。


それを抑えようと胸の辺りをギュッと握った。


なんだったんだ、さっきのは。


現実から逃げるように目も閉じた。


余計にさっきの声をリアルに感じてしまう。


夢か?夢だったのか?


「……凌汰、ごめんね」



なのに、聞こえてきたのは、震える由希先輩の声。


夢じゃないんだ。



そうハッキリと自覚した。

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