第16章

第20話

居酒屋へ到着すると、早速気分がハイになっている人物が一人。


「今日は、凄く気分が良い!!美味しくお酒が飲めそうだ!!」


チーム長が声高らかに楽しげに話していると…


「程々にして下さいよ。チーム長、お酒強くないんですから」


チーム長補佐が、すかさず牽制していた。


「アハハハハ…!!」


店内に皆の笑い声が響く。


「あの…社長!今日は、ありがとうございました」


「秋映さんのりんご飴に対する、愛情と情熱が伝わったからですよ…実際、味も美味しかったですし」


社長からの褒め言葉に、私の胸がトクンと高鳴るのを感じた…。


『心なしか、身体も熱い…お酒と、この胸の高鳴りのせい…?』


その頃、仕事仲間の人達は、皆酔い潰れタクシーで帰宅していった。


『…私も、そろそろお暇しないと…』


椅子から立ちあがろうとした、その瞬間、私の足元がふらついた。


「危ない…!」


大樹は、咄嗟にりんごの身体を抱き抱え、支えた。


「社長…」


酒に酔ったりんごの声が、大樹の耳元で甘く響く…。


「秋映さん、会社へ戻りましょう…」


「はい…」


そうして、社長が案内してくれた場所は、社長のプライベートルームだった…。

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