第60話
校門の前で待つ春の元へゆっくりと近づく
私に気づきもせずに難しい顔をして何かを考えているよう
ちゃんと話せるかしら
こんな関係やめようって……私、ちゃんと言えるのかな
「お待たせしてごめんなさい」
声をかけるとゆっくりと顔をあげた
「あ…あぁ」
やっぱり―――…
やっぱりこの人の瞳はどこか冷たい
私に対してだけ?
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