第34話

隣を歩く美雨


近いような遠いような…その距離は


女嫌いの俺にはちょうどよかった


それにコイツからは他の女達とは違って化粧やら香水の臭いが一切しない



あるとすれば…シャンプーの香り…?


時折、風に流されて香る


微かな石鹸の香り


それが俺の鼻孔をくすぐりなんとなくホッとできた




―――――…懐かしい香り


俺が求めて


忘れていた香り


………


そっか


それであの時思わず…


ハハ…何してんだ、俺は…

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