けど…美雨以外わかんねーんだから仕方ないだろ…苗字知らねーし

さすがの木村も諦めたのか制服についた泥を落としながら

『……お前が相手じゃ勝ち目ないよ』

そう言ってすごすごと退散していった

俺はその背中をジッと見つめた

そんなに好きだったのか？

――――…俺が忘れた感情

「あ…あの…」

「は？」

あー…ちょっと存在忘れかけてた

「何？」

美雨はうつ向いたままなかなか次の言葉を言わない

何だよ………

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