第9章

私が会場に入れた頃、セレモニーが始まった。

「本日は、画家　彩瀬（あやせ）　海生（かいき）さんの地元凱旋記念美術展にお越し頂き、ありがとうございます。これよりセレモニーを始めさせて頂きます」

「まずは、彩瀬（あやせ）　海生（かいき）さんご本人より、挨拶がありますので、宜しくお願い致します」

「皆様、こんにちは。彩瀬（あやせ）　海生（かいき）です」

「本日から半年間、地元の美術館で個展が開ける事をとても嬉しく思っております。

これも、今まで応援して下さっているファンの皆様、恩師のお陰です。

…本当にありがとうございます。

心ゆくまで、私が生み出した作品の世界観を堪能して頂けたら幸いです」

彼の挨拶が終わると、沢山の拍手に包まれた。

私も、海生の画家としての歩みを感じて、思わず涙が零れた。

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