第2章

第17話

「部屋の中、何も無いね…」


あまりの物の無さに、思わず本音が零れた。


「昨日、結構、部屋の中、片付けて…だけど、物置きには小さい頃、一緒に遊んだ物を残してあるよ」


「えっ…?」


「ましろと遊んだ記憶だから…捨てられなくて…」


そう語る海生の表情がとても優しくて、胸がときめく…。


「ずっと、大事に思ってくれてありがとう…」



「海生…今の私を…見たまま描いて欲しい…」


「うん。じゃあ、そこに置いてある木の椅子に座って」


私は、促されるまま木の椅子に腰掛けた。

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