第37話

学校に着くと、愛里が強張った顔つきで真っ先にわたしのところへ飛んできた。



「千生!」


「おはよ愛里、どうしたの?」



何事かと驚いていると、腕を引かれ教室の隅に連れて行かれる。



「ねぇ、日高さんずっと休んでるでしょ?何でだと思う?」


「いきなりどうしたの?体調不良でしょ?長引いてるみたいだけど」


「違うの!」



愛里はそこでわたしの耳元に顔を寄せ小さな声でこんな事を言ってみせた。



「日高さん、性犯罪にあったって」



驚きのあまり、声も出なかった。

わたしは目を丸くして愛里に向き直る。



「水泳部の部室で1人で着替えてたところで、襲われたみたい。すぐに逃げ出したから最後まではいかなかったらしいけど」


「そんなこと…一体誰が」













「櫻井よ。担任の櫻井先生」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る