第37話
学校に着くと、愛里が強張った顔つきで真っ先にわたしのところへ飛んできた。
「千生!」
「おはよ愛里、どうしたの?」
何事かと驚いていると、腕を引かれ教室の隅に連れて行かれる。
「ねぇ、日高さんずっと休んでるでしょ?何でだと思う?」
「いきなりどうしたの?体調不良でしょ?長引いてるみたいだけど」
「違うの!」
愛里はそこでわたしの耳元に顔を寄せ小さな声でこんな事を言ってみせた。
「日高さん、性犯罪にあったって」
驚きのあまり、声も出なかった。
わたしは目を丸くして愛里に向き直る。
「水泳部の部室で1人で着替えてたところで、襲われたみたい。すぐに逃げ出したから最後まではいかなかったらしいけど」
「そんなこと…一体誰が」
「櫻井よ。担任の櫻井先生」
君の唇は悲しみの味 夏村晴 @natsumurahare
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。君の唇は悲しみの味の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。