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「そういう問題じゃねぇだろ、一周回ってお前怖ぇよ」


「みずき、ちゃあんとそういう区別わかるよぉ?」


「普通は目が合うだけでビビんだよ、こういうのは」




普通は。


そうか、『普通』は、目が合うだけで。




「ごめん!みずき間違ってたね!!」


「は?」




みずきは、お兄さんの言ったこと、ちゃあんとわかったよ!


ちゃあんと怖がってみせるね!!




「お、おにぃさん、なんでそんな……酷い、こと?怖いこと?ん?どこを怖がればいいんだろぉ……おめめ?」


「……は?」


「そ、そんな怖いおめめ、して!んーと、みずき怖いよ!!」


「怖がり方雑すぎんだろ」




もはや睨むこともやめたのか、その男の子はみずきの首から手を離して、横にごろんと寝転ぶ。


あれ、もう怖いのしなくていいのかな?




「お兄さんまだお名前教えて貰ってないよぉ?」


「お前まだそれ引っ張んのかよ。……まぁいいや」




大きくため息を付いた男の子は「モカ」と、投げやりに口にした。


もか?もかくん?もかちゃん?


なんて呼ぼうかなぁ。




「余計なこと言ったらぶっ殺す」


「おいしそうなお名前だねぇっ!!」


「ぶっ殺されてぇのか!?」

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