プロローグ

第1話

・・・・・・――夢を見た。







それは漆黒の闇の中で、あたしは一人で泣いていた。

寂しくて寂しくて死にそうだった。







あたしは振り絞るような声で言ってた。







『ねぇ、誰か』




『誰か・・・・・』




『寂しいよ・・・・・・』




『怖いよ・・・・・』




『苦しいよ・・・・・』




『助けて・・・・・』




『早く・・・・・・・・』




『お願い・・・・・一人にしないで・・・・・・』







そしたら小さな光が見えて、手がのびてきた。







知らない男の人が立っていて、その人はあたしを優しく抱きしめた。






でも顔は見えなくて・・・・・・・。






あたしがその腕に必死にしがみついていたら、






『・・・・・・・もう大丈夫だよ。俺が居るから。





俺が君を守るから。





俺がずっと傍に居る。何があっても。






だからもう泣かないで。






ほら、顔上げて。






ねぇ・・・・・・笑って?』








優しく・・・・・・そう言った。







あたしが頷いたら、その人の手があたしを強く引っ張って――・・・・・・・・・・








二人で、眩しいくらいの大きな光の中に飛び込んだ。










・・・・・・・・・――そこで目が覚めた。












目が覚めたら、頬に涙が伝っていた。










・・・・・・変な夢。










あぁ、もうこんな時間だ。

早く学校行かなきゃ。








あたしは支度をすると家を出た。

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