第75話

「さっきはごめんね。本題はこっちなんだ」





こいつ、さっき仲間って言ってたな。こいつも白龍か。





…………極力関わりたくない。けど、今のが本題なら次の言葉は大体想像がつく。






「その強さ、白龍に欲しい。是非仲間になってもらえないかな」





……そうなるよな、やっぱり。





「……私はお前らの仲間になるつもりは毛頭ない。誰かと関わるの嫌だから、私は一人が好きだから」





そう言えば、目を見開いて驚愕を露にした。




竜が強いって言ってたし、ファンもいるくらいだし、白龍に憧れたりするやつも少なくはないんだろう。




だから誘えば必ず仲間になると信じて疑わなかったようで、「うっそぉ……」と呆然としていた。





「君けっこー強いから、すぐに幹部入りできると思うよ?」




「そんな地位欲しくない。私は勉強さえできれば他はどうでもいい。それに」





千里の胸ぐらを掴み、自分に引き寄せた。





「他人に心開かないやつに勧誘されても白龍に入りたいとは思えないな」





多分、幸に誘われたら多少は揺れていただろうね。




絶対入らないけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る