第46話
キーンコーンカーン………
最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ったところでばたりと机に突っ伏した。
「お……終わったぁ~」
何あの文字。何あの記号。何あの数式。わけわかんない。皆はあれを理解できたのかな。あの呪文にしか聞こえない授業内容を。
「華ー?あんな簡単な授業で疲れたの?ぷっ。馬鹿なんだねー」
横で小馬鹿にしたように笑いを堪えてる奏に若干殺意が湧いた。
しょーがないじゃん。わかんないんだもん。
てか簡単!?あれが簡単なの!?嘘でしょ!?
「あ、ねぇ華。一緒に帰ろーよ」
「いーよ。あ、でもその前にちょっと用事があるんだけど……」
「しょうがないなぁ、待っててあげる。すぐ済ませてよね」
誰かと一緒に帰るなんて初めてだなぁと思ったが、竜に「帰る前に理事長室に顔を見せに来てね」と言われたことを思い出し、顔をしかめる。
どうせ家に帰れば嫌でも顔を会わせるんだし、なにもわざわざ理事長室に足を運ばせなくても……
心の中でぶつぶつ恨み言を呟きながら教室で待ってると言ってくれた奏に手を振って理事長室に向かった。
クラスメートがこっちをちらちら見て話しかけたそうにしていたのは気づかなかった。
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