第25話

それを目の当たりにして一瞬で我にかえる。




……危なかった。こんなチンピラ相手に本気でキレたら駄目だよな。どこの誰か知らないけど、サンキュー。




と思ったのと同時に吹っ飛んだ男達の方を見やると、後ろにただならぬオーラを発する男が不機嫌丸出しで佇んでいた。






「……邪魔だ。退け」






重々しく口を開いて第一声がそれだった。





確かに一理ある。ここは廊下のど真ん中。通行の邪魔なのは明らかだ。






「ああ?なんだお前」





「わっ、馬鹿!こいつあの白龍のトップだぞ!」





「え…………」





ひそひそと話してるうちに顔が青くなっていく男達。




なんだ?すごい怯えてるけど。





「………二度も言わせんな。退け」





いつまでも動こうとしない男達に痺れを切らしたのか、後ろの男が再び声をかけた。




おお、さっきよりもうんと低い声。

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