第22話
やれやれ、面倒なことになった。
昔の私なら相手の鳩尾に一発入れてKOしてやるんだが、今はそれができない。
いや、正確にはできなくはないが、ケンカはしたくない。
またあんな悲劇を繰り返すくらいならケンカなんてしたくない。
「あらら?固まっちゃってる。俺らが怖いのー?」
「顔は厳ついけど優しいよー俺」
「自分で言うなよ!」
さて、どうするか。面倒な輩に絡まれて身動きがとれない。素通りしたくても囲まれた今の状況でできるわけがない。
「……悪いけど、そこどいてくれる?」
荒事は何もなく穏便に済ませたいためできるだけ笑顔でそう言うも、どいてくれる気配はなかった。
「えーいーじゃん!俺らと遊ぼーよ」
「楽しいことしよーぜー」
…………ああ、こいつらの目。何度か見たことあったなぁ。
ちょっと気味悪いというかなんというか……なんて言えばしっくりくるかなぁ。
あ、確か…………
「……汚物」
って捺が言ってたな。
ぼそりと呟いた私の言葉が耳に入ったみたいで、気持ち悪い笑顔だったのが一転して青筋が浮かんでいた。
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