第3話

「臣くん、臣くん~」



「……」



「朝だよ~起きて~」



「……」



「お~き~て~」



「……」




そう声をかけるも、旦那サマはなかなか直ぐには起きてはくれません。



仕方ないので、こんな時は私が、




「―…抱きついて、チューするよ」




こう言えば、ムクッと布団の中から出てきてくれます。




「おはよう、臣くん」



「おはよ……」



「今日はね、一日晴れだって」



「……あ、そ」




あら。



今日はいつもより、返事をしてくれる臣くん。



「臣くん、今日も朝から愛シテル」



「……」




はい。



そこには通常通り応答ナシ。




気を取り直して、




「朝ごはんはね~今日は和食でね、ちゃんとお味噌汁はイリコさんからとったんだよ~あ、イリコさんっていうとイリ子さんみたいで名前みたいだね~」



「……」




まぁ、そんな会話をしながら食卓へ行って、




「いただきま~す」




と、二人仲良く朝食をとるのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る