時空を超えた愛~永遠の誓い~
第4話
遥か昔、天使や悪魔がいる世界に、身分さに翻弄されたふたりの魂が産まれた。
レリアは人間界の王女で、エリクは奴隷の少年だった。
彼らは偶然、王宮の庭園で出会い、お互いが瞳に入った瞬間から、恋に落ち激しく愛し合った。
「きみはなんて美しいんだ、愛している、永遠にこの愛を誓いつづけたい。」
「ああ、エルク、どうしてあなたは奴隷に産まれてしまったの。」
「レリア、身分の差なんて神の前には何も意味はない。」
「ああ、エルク、お父様は許さないわ、きっと私たちを許しはしないわ。」
「レリア、俺は、どんな罰だろうとも、この愛のためなら受け入れる。」
「エルク、私たちは永遠に一緒だわ。」
「誓おう、レリア、愛している。」
ふたりのことを、天使はラッパを吹いて、レリアの父親に知らせた。
身分差に立ち向かうふたりを祝福しようと。
しかし、レリアの父である王は、身分差を許さなかった。
奴隷の少年は木に、はりつけられ、火をつけて燃やされた。
後、打ち首を町中にさらして周った。
王や民衆は、祝杯をあげたのである。
レリアは嘆き悲しんだ。
王はレリアを永遠に王宮に閉じ込めることにした。
「なんてことを、なんて酷いことを、ああエルク、会いたいわ・・・。」
レリアは祈った。祈り続けた。
「お願い、誰か・・・この声が、私のこの声が聞こえた、誰か、助けてください。・・・誰か。」
絶望の中、レリアの元に、一匹づつ天使と悪魔がやってきた。
悪魔は毒の薬を渡し、天使は「また来世で会えるように誓おう」と王女レリアに慈悲を与えた。
レリアは天使の誓いを信じ、毒の薬を一気に飲み干した。
「エルクに会えますように。再び、結ばれますように。」
レリアは祈り続けた。
数百年後、出会う運命がおとづれた。
レリアが目を覚ました時、美しい森の中だった。
エルクも同様に産まれ変わり、森の住人として生活していた。
レリアは森でさまよっていたところ、エルクに助けられた。
レリアは過去の誓いも忘れていたが、ふたりは不思議な絆で心に刻まれていた。
この人だ、この人が運命に違いない。
ふたりとも、そう強く感じたのだった。
しかし、幸せは長く続かなかった。
森は、すでに亡くなった王の命令により焼き払われた。
燃える森の中を逃げ惑った。
レリアは祈った。
「誰か、助けて。・・だれか。」
その姿を天界から神は見ていた。
そして、不憫なふたりの愛の誓いに、
天使と悪魔が対となり、降臨させたのである。
天使と悪魔は言った。
「ふたりは離れ離れになるだろう、
炎に飛び込み、石となれば、永遠に離れないことを誓おう」
エルクとレリアは、ふたたび、また一緒になることを誓った。
エルクはレリアに言った。
「新たな時代で再び出会うために、今は永遠の石の塊となろう。」
そしてレリアはエルクに言った。
「エルク、愛しているわ、永遠に私たちは、愛し合い求め続けたい。」
ふたりは、炎に飛び込び石の塊となった。
レリアはまた再び会えるように祈り、
固い固い、石の塊となった。
レリアは祈り続けた。
「永遠に愛し合えますように・・・。」
次の来世では、彼らは時間を超え、愛の物語が完結し、永遠の幸せを手に入れる
ことができるだろう。
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