第25話

槇村君はその日に例のデザイナーの担当を外された。

もしかしたら私も同じ日に彼と同じ目にあっていたかもしれないと思うと少し身震いする。


「ホールメインの図面がこれ。」

千秋君は仕事が早い。

一体いつ寝てるんだろう、と思う。


「ありがとうございます。」


テーブルにいつものティーカップが置かれる。

ひと目で高級な品物だと分かる。

これも彼の趣味?

それとも……。


「千秋君は器に興味あるんですか?」

「え、いやまったく。」


じゃあ、彼女の趣味ってことかな。


そうだよね、千秋君に彼女がいないことが不自然だから。


千秋君と恋愛できる女性ってどんなヒトなんだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る