第58話

…あ、その眼


……吸い込まれそうな、茶色い


ビー玉の瞳……




そう思った時、優也の顔が少しずつ近付いて来た


掴まれた肩と、吐息から優也の体温を感じる



……あ、キスされるんだ



恋愛経験0の私にでさえ、すぐに分かった



私は、静かに目を閉じた


この時の私には、道徳も社会もTPOや人間関係なんかも全部どうでもいいように思えた


ただ、目の前の優也とキスがしたい


優也の事をもっと知りたい


優也の全てが欲しい


そんな気持ちしかなかった

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