命日

今日は葵にとって両親の命日だから。

"私"にとっては地獄の日々をこの手で終わらせた日。そして伯父さんに再び出会った日。

地獄の日々を過ごした子だと知られるわけには行かない。だから葵として生きている。


インベントリからパソコンを取り出す。

葵のセキュリティーを強化する。偽装しているのがバレない為だ。

この技術は伯父さんに教えてもらった。

勉学に運動、魔法の制御の仕方、魔法の使い方、移動方法、戦い方、護身術、ハッキング等のパソコン技術。


魔法の事でインベントリは勿論持っていて。武器、固有魔法、魔法に通じる移動方法はそれぞれ違ったりするけれど持っていると教えてもらった。


伯父さんは私を守る騎士だと言っていた。

私にはよく分からないけれど。それでも守ると言ってくれた。けれどその伯父さんは今はもうこの世にはいないだろう。手紙にはそう書いてあった。私を置いて何処かへ行ってしまった。帰ると約束したのに。代わりに届いたのは、今も外さず付けているネックレス。

私はいつだって人間のふりをする。

化け物だと悟られないように。

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