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本当に?
まぁ、持ってきてくれるだけありがたいけど。
「君を殺すなら、アイツの目の前で殺さないと意味無いだろ?」
あー、コイツ狂ってる。
死ぬ覚悟で1人で来たけど。
「じゃ、俺はあっちの援護にいくから。アイツは、いつ助けに来るかな」
武田組若頭はでていった。
今この家にいるのは、私と美羽だけなのか。
いや、美羽の事だからどっかに行ってそう。
とりあえず、持ってきてくれたパン食べよう。
冷蔵庫も持ってきてほしかったな。
飲み物ぬるいし。
そんな事を考えながら、一日が終わった。
バンッ!!
次の日の朝、勢いよくドアが開いた。
起き上がると、美羽がいた。
パンッ!!
乾いた音が響いた。
美羽に頬を叩かれたのだ。
「どうやって、蒼真さんをたぶらかしたの!?」
は?
「どうやったのか聞いてるのよ!!」
「どうやってって、知らないし。たぶらかした記憶ないんだけど」
「嘘つくなっ!!」
嘘じゃないんだけど。
昨日、私のが良さそうって言われたのが気に食わないんだろう。
「アンタが男遊びしてたのは事実だし。そりゃー、自分の婚約者が男好きで遊びまくってるって嫌だよね」
「うるさいっ!!」
ドカッ!
今度はお腹を蹴られた。
「美羽はね!みんなに愛されて当然の人間なの!」
私を蹴りながら言ってくる。
「可愛いから!誰にも愛されるの!なのに!なのになんで、來斗さんはアンタなんかをっ!?」
美羽は気がすむまで、私を蹴り続けた。
気がすむと部屋を出ていった。
私は痛すぎて、しばらく動けなかった。
絶対、アザになるやつだ。
「アララ。派手にやられて」
どれだけ時間たったかわからないけど、武田組若頭が入ってきた。
「何しに帰ってきたの?」
「様子見にだよ。まだ抗争は続いてるし。それより、風呂入ってきたら?美羽は今いないし。あ、でも自分では無理か。俺が一緒に入ろうか?」
「断るわ」
私は自力で起き上がり、お風呂に向かった。
うわー、めっちゃアザできてる。
服脱いで、自分の姿にびっくりした。
お風呂から上がると、武田組若頭はいなかった。
抗争に戻ったんだろう。
次の日は、2人は現れなかった。
ここに来て、もう4日が経つ。
抗争の状況を知りたいけど、武田組若頭が来ないから聞けない。
自分で逃げ出したらいいんだけど、外鍵で抜け出せない。
次きた時、強行突破するとか?
すると、ドアが開きナイフを持ってる美羽がいた。
直感で、やばいと思った。
逃げないとって。
「アンタの…アンタのせいで…!負けたじゃないの!アンタが、東郷組にいるせいで武田が…!天原財閥が!!」
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