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そうなんだ…


「これ、みんなからプレゼント!!」


華恋が渡してきたのは、アルバムだった。


中は、沖縄に行った写真や花火大会の写真、遊園地やプール、ツーリングに行った夏休みの思い出の写真がいっぱい貼られていた。


「うっ…あ、あり、ヒック…ありがとう…」


私は、嬉しくて泣いてしまった。


今まで、誕生日なんか祝われたことなんかなかった。


プレゼントも、貰ったことなかった。


誕生日がこんなに嬉しい日って、今まで知らなかった。


「さっ。パーティー始めるよ!ケーキ持ってきて!」


私の前に、17のロウソクが。


『Happy Birthday to you〜』


みんな、歌い出した。


『Happy Birthday Dear 美桜』


『Happy Birthday to you〜』


フー…


私は、ロウソクの火を消した。


パンパーン!!!


本日、2回目のクラッカー。


『おめでとうー!!』


「みんな、ありがとう!!」


私の誕生日パーティーは、21時まで続いた。


本当に楽しかった。


「じゃあ、俺らは帰るか」


「みんな、本当にありがとうね!」


帰る時、もう一度お礼を言った。


「あ、美桜ちゃん」


華恋に呼ばれた。


「美桜ちゃんの誕生日会しようって言ったの、來斗なんだよ」


耳元で、コソッと教えてくれた。


え?


そうなの?


「美桜。行くぞ」


「あ、うん」


家に帰ると


「お姉ちゃん!お誕生日おめでとうー!」


碧斗君が玄関で待っていて、手紙をくれた。


「ありがとう」


「美桜さん。お誕生日おめでとうございます」


槙さんも祝ってくれた。


「ありがとうございます」


そのまま広間に行くように言われ、入ると直斗さんと桜さんがいた。


「美桜ちゃん。誕生日おめでとう」


「おめでとう。これ、私たちからよ」


桜さんは、ブランドの大きい紙袋だしてきた。


「え!?わ、悪いですよ!」


「娘なんだから、当たり前だろ」


「そうよ、美桜ちゃん」


ヤバい…


また泣きそうになってきた。


「ありがとうございます…!」


「俺たち、部屋戻るぞ」


「直斗さん、桜さん。本当にありがとうございます!大切に使いますね!」


「明日の夜は、美桜ちゃんの誕生日パーティーしましょうね」


と、言ってくれた。


「來斗、先にお風呂入ってきていいよ」


「わかった」


いつもは私が先に入ってるけど、プレゼントを早く見たくて、先に入ってもらった。


碧斗君から貰った手紙を見ると、

【おねえちゃん、たんじょうびおめでとう!!

だいすきだよ!】と、書かれていた。


後、この前遊園地行った絵かな?


観覧車や風船、私と碧斗君と來斗が、手を繋いでる絵も書かれていた。

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