第43話
その日の夜
沙耶 私が…女優にモデルに…歌手も…
それにコスメブランドって…
鶴田 社長は凄いな…
普通の人間ならコスメブランドまで
決めないよな…まだ無名の新人に…
売れることを予測して決めてるんだ
な…勉強になる。
沙耶 ほんと、鶴田さんって惜しいですよ
ね。
鶴田 え?
沙耶 仕事ができて背も高くてイケメンな
のになんか天然っていうか。
鶴田 ごめん。
沙耶 いやいや!褒めてます。
鶴田 それ、普段からそんなかんじか。
沙耶 どういうことですか?
鶴田 男なら誰もが沙耶さんとどうにかな
りたいと思うだろうな。
沙耶 それって褒められてます?
バカにしてます?
鶴田 あ…ごめん。
沙耶 ほら、そういうところ。可愛い。
鶴田 男に可愛いはいらない。
沙耶 それじゃあ…鶴田さんは…
彼女の白くて長い指が前髪に触れた
小さい顔に覗かれるのは慣れない
薄い色素をした瞳
艷やかな儚げな黒髪
前に手を差し伸べた少女に似て
薄く微笑むその唇に心奪われた
鶴田 なにするんだよ!!
沙耶 カッコいいですよ。
鶴田 はっ?!
沙耶 だからカッコいいって言ってます。
綺麗な顔してるのに前髪で隠しちゃ
もったいない!次に美容院行くとき
は雰囲気変えてみたほうがいいか
も。
鶴田 そうする…。というか美容院は
俺が連れていかないと。
芸能人は髪を切るのはマネージャー
同伴だってことは頭に入れといて。
沙耶 え!?そうなんですか?
鶴田 日本についたらまずアーティスト写
真を撮るから青山にいくぞ。
沙耶 はい。分かりました。
ついでに鶴田さんもね。
鶴田 俺はいいから。
1日もいないうちに
お互いの素直な気持ちをさらけ出し
仲良くなれた
それは誰とも隔てなく
屈託のない笑顔を向ける彼女の愛嬌は
自分だけに向けられていると錯覚する
そんなはずは無いのに
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